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一般社団法人 山形県被災者連携支援センター

平成26年度から復興庁の「県外自主避難者等への情報支援事業」を受託し、ニュースレターと通して山形県内の避難者の方々へ避難元である福島の情報と、避難先である山形の情報を届けています。今回は代表理事の大谷さんと、事務局担当理事の早坂さんにお話をお聴きしました。
やまがた避難者支援団体 活動インタビュー Archive number 011
一般社団法人 山形県被災者連携支援センター
いっぱんしゃだんほうじん やまがたけんひさいしゃれんけいしえんせんたー


一般社団法人 山形県被災者連携支援センター
一般社団法人 山形県被災者連携支援センター

<プロフィール>
 
代表理事 大谷哲範さん(緑水の森被災地被災者支援活動 代表)

事務局担当理事 早坂信一さん(ボランティアサークル日曜奉仕団)

企画広報担当理事 佐藤洋さん(NPO法人毎週末みんなで山形 代表)



<連絡先>
  〒991-0003 寒河江市大字西根字石川西355 村山総合支庁西庁舎 やまがた絆の架け橋ネットワーク内 
 TEL 0237-85-1070 FAX 0237-85-1071 
 相談ダイヤル(Cocoro Navi)0120-293-640 
 HP http://yamagatarensen.heavy.jp/


支援活動の経過
平成25年
9月 一般社団法人 山形県被災者連携支援センター設立
平成26年
5月30日 復興庁「県外自主避難者等への情報支援事業」受託
6月10日 第1回ニュースレター発送
6月29日 第1回支援情報説明会実施
8月8日 第2回ニュースレター発送
11月14日 第3回ニュースレター発送
12月11日 第3回支援情報説明会実施
平成27年
1月29日 第4回ニュースレター発送
5月28日 平成27年度第1回ニュースレター発送
8月6日 平成27年度第2回ニュースレター発送
9月20日 平成27年度第1回支援情報説明会実施
”情報”を伝える支援
連携支援センターからの案内など
連携支援センターからの案内等

<早坂> 山形県被災者連携支援センターは、大谷代表理事、佐藤企画広報担当理事、そして事務局担当理事の私、この3人が中心となって、平成25年9月に設立しました。

 当初は被災された方々の相談を受け付けたり、避難先でのコミュニティの再生のお手伝い、またイベントの企画運営、プロデュースなどを行っていました。そして翌年、復興庁の「県外自主避難者等への情報支援事業」を受託し、平成26年6月からニュースレターの発行や、支援情報説明会を実施しています、

<大谷> 私たちのようないわゆる「民間」の力だけで、ニュースレターのような情報を避難者の方へ送付するのは、本来難しい面があります。それは個人情報の壁です。どこに、どこから避難された方が住んでいるのか、といった個人情報を民間の団体が入手することが困難だからです。なんとか、より行き届いた支援を進めたいと試行錯誤していた折に情報支援事業の話が舞い込み、迷わず手を挙げました。

<早坂> ニュースレターを発行・発送するにあたり、まずは県内全域に避難されている方皆様にアンケートを行いました。皆様それぞれがどのような支援を必要していらっしゃるのかを確認した上で、「情報」を必要としているという方に向けてニュースレターを発送しています。

 現在は、村山地区の約130世帯、置賜地区の約80世帯など県内全域で約250世帯にお送りしています。平成27年8月現在、計6回を数えます。送っている情報は、主に避難元である福島県の各市町村が発行している「復興ニュース」や各市町村のHPからピックアップした情報が中心で、その他放射線測定の数値やイベント情報など、毎回決めたテーマに沿って重点的に発信しています。

<大谷> 避難元の福島県といっても、大きく1つにまとめてしまうのではなく、3つのエリアに分けて、それぞれのより詳しい情報をお送りしています。エリアは県北、県中、浜通りです。また避難先の山形も、村山、置賜、庄内、最上といくつかのエリアに分けています。

<早坂> 送付する際は、避難している方の避難元の地域と現在の避難先の地域を組み合わせて、それぞれに合わせてお送りしています。個別の地域情報に加えて、福島県全域、山形県全域の広域情報、それに求人情報や相談窓口の案内などを加え、ニュースレターは1回あたりA4で50ページほどに及び、冊子のようにしてお送りしています。

<大谷> 現在は公的な情報が中心ですが、今後は民間の支援情報なども増やしていけたらと考えています。情報、制度は日々変化しています。できる限り新しい情報を届けること、そしてより幅広く届けられるよう力を入れていきたいと思っています。

 また、ニュースレターに加えて年3回実施している支援情報説明会には、復興庁や福島県の担当者が来県し、最新の支援情報をお伝えするだけでなく、避難者の皆様からの声を直接お聴きする場でもあります。前回は復興庁の副大臣も来県しました。ぜひご参加いただきニュースレターに加えて支援情報説明会の場で得た情報も活用して、今後の生活設計の足がかりにしていただければと願っています。
 


これまでの経験を活かして

<大谷> 私たち3人の出会いですか…。あれ…?何だっけ?

<早坂> そう言われると…。ええっと…(笑)

<大谷> あまりはっきり「このとき」というのは覚えていないのですが、もともと3人それぞれでボランティア活動を続けている中で出会ったという感じだよね?早坂さんは「ボランティアサークル日曜奉仕団」という団体を立ち上げていて。

<早坂> はい。私は東日本大震災を機にボランティア活動をはじめました。仕事が休みの週末に、仲間と共にバスをチャーターして陸前高田市へ向かい、瓦礫の撤去などを行ってきました。

<大谷> 私は、もともと対人援助、つまり困った方への支援ですね。メンタルソーシャルケースワーキング、カウンセリングを専門にしていまして、加えて「緑水の森被災地被災者支援活動」の代表をしています。もう1人の理事の佐藤さんは、東日本大震災の際、福島から友人を受け入れたことをきっかけに支援の幅を広げたいと、「NPO法人毎週末みんなで山形」の代表となり、活動しています。私と佐藤さんは山形市、そして早坂さんは寒河江に拠点をおいていますが、東日本大震災の支援者のつどいで何度か顔を合わせるうちに、自然と親しくなっていったんですよね。

<早坂> そうですね。その後3人で中心となって、「やまがた絆の架け橋ネットワーク」を立ち上げ共同事業をスタートし、現在に至るというわけです。

<大谷> それぞれの経験、ノウハウを持ち寄ることで、これまで以上に現場目線というか、行政で網羅することが難しいところへの支援をより実行できるようになったと思っています。

 


さらに広域的な支援を目指して

<早坂> これからは情報支援事業のさらなるグレードアップをはかりたいと考えています。今後はそのために、人材育成をさらに強化していくことを計画しています。

<大谷> 今は山形県内に避難されている方への情報支援を行っているわけですが、こうした拠点は全国すべてにあるわけではなく、情報支援がゆき届いていない隣県もあります。そうしたところを広域的にフォローしていくことと、合わせて「山形だからこそ発信できること」を伝えていきたいと思っています。

 東日本大震災発生後、山形県には一時に多くの避難者を受け入れました。被災地の隣県だったということが大きいと思うのですが、隣県だからこその支援を続けてこられたと思っています。このことは、離れた土地の方々には体感できていないことだと思いますので、全国各地の支援団体に向けて、ノウハウの提供やエリア会議などを開催して、今回培った経験を広く提供、共有したいと思っています。

<早坂> 支援情報説明会を実施して感じたのですが、復興庁の担当者や福島県の担当者が実際に避難されている方々の生活の場を訪れることで、現状をリアルに感じてもらえたという実感があります。これからも現場で直接支援を行っている私たちならではの情報を、復興庁の方や福島県の方にお伝えし、支援が多様化している今、行政の支援制度に加えて、民間の力でサポートし、今後のよりよい支援策につなげるためのパイプ役になっていきたいと思います。

<大谷> 震災発生直後は、大切な人、大切なふるさと、平和な日常を失った「喪失の悲しみ」が大半を占めていましたが、4年半以上経った今は様々な要因が複雑に絡み合い、避難されている方を苦しめています。これは専門家でも対応が難しいほどです。こうした「時を経たからこその変化」を記録すること、そしてニュースレターも支援の変遷を後世に伝える大切な史料になっていくはずです。ここまでの大災害は近年の日本の歴史ではみられない出来事でした。そして今後またどこで災害が発生するかわかりません。これからも長期的に学び、実践し、東日本大震災の記憶をしっかりと記録し、伝えていきたいと思います。

 情報支援は今必要としている人へ伝えること、そしてこれから必要になる人のためにも伝えていく役割をも担っている、と思います。

 



〈取材:2015年9月〉




 取材を終えて
本間明子
 3人寄れば文殊の知恵とはまさにこのこと。大谷さん、早坂さん、佐藤さんが、それぞれのボランティア経験、また人生で得た知識を持ち寄り、多面的な支援を広げていらっしゃることに心強さを感じ、この活動が次世代につながるバトンになると確信しました。
本間 明子

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