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山形の窯元をたずねる(2006年2月)

 
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> 特集・山形の窯元をたずねる
 
 

山に囲まれた我が山形県。陶芸に適した土も豊富で、伝統を受け継いで きた窯元から古窯を復活させた窯元、そこの土に惹かれて窯をひらいたとこ ろ等、数多くの窯元があります。今回は、手作りの陶器を見て買って体験もできる焼き物の里「平清水」をたずねてみました。雪景色のなかで陶芸に親しむ、こんな1日もいいものですよ。
 
 
 


 山形四代古窯のひとつ「平清水」は県内で一番大きな焼き物の里です。平清水地区の北側にある千歳山には、焼き物の原料となる石英祖面岩(陶石)が豊富にあります。また、松薪も豊富であったため、約200年前より現在まで、窯の炎が消えることなく受け継がれています。現在は4窯で伝統が守られています。今回はそれぞれ趣のちがう4窯元を訪ねてみました。



 
[七右衛門窯]
〒990-2401 山形市平清水153
TEL 023-633-4176
URL http://www4.ocn.ne.jp/~sitiemon/
体験教室/9:00?15:00(粘土1kg1800円,オカリナ1400円,絵付け800円?)
     10名以上の場合は要予約

[平吉窯]
〒990-2401 山形市平清水67-1
TEL 023-622-4801
体験教室/9:00?16:00
(粘土1kg 2600円(要予約))

[青龍窯]
〒990-2401 山形市平清水50
TEL 023-631-2828

[雷神窯]
〒990-2401 山形市平清水75-2
TEL 023-641-0895
※窯元を訪ねる際はご連絡ください

 

 平清水の陶石はとても硬く、砕いて粉にして粘土を作る作業はとても骨が折れるそうです。
 しかし、焼き上がりの硬い質感、陶石に含まれる鉄分が表面に浮かび上がり、いろいろな表情をつける独特の焼き色は、他の焼き物にはない大きな魅力です。
 
ここ七右衛門窯は、そうした伝統を守りつつ誰でも気軽に陶芸に親しめるようにと、体験教室にも力をいれている窯元です。少人数なら予約なしでもOK。さっそく陶芸とオカリナ作りを体験してきました。
陶芸体験  
 
教室に入ると、なにやらにぎやかな声。地区の子供会で体験に来ていました。
 
作り方を説明してくれるのは、なんと!七代目。粘土を自由自在にあやつります。
 
「もし人形を作りたい場合は・・・」おーっと、手元は恐竜。お・み・ご・と。
 
粘土1kg.。カップやお皿なら2個作れます。「この粘土はやり直しNGです。」ええーっ。
 
 
 
さっそく製作開始!でっきるーかな♪でっきるーかな?さてさてフフー?
 
ありゃ?お皿?なんかの顔になってるよ。子供への点数稼ぎだね、これは!
 
 ぼくドラえもんです。ねえねえ、似てる?似てる?
 
「もうひとつはなににしようかな?」あれこれ考えている時間も楽しい。
 
                 
 
じゃ?ん。ドラえもんとアンパンマンのお皿のできあがり。子供たち、喜んでくれるかなぁ。
 
見本を参考にして好きな釉薬を選びます。「デザインによって、適・不適があるんですよ。」
 
ずらっと並ぶ作品達。焼き上がりの1ヶ月後が楽しみです。
 
教室で素敵なランプシェードを発見!「次はこれだ!」今度は家族で来ようね。
 
 
オカリナを作ろう
 
オカリナ作りも挑戦してみました。まずは粘土をひたすらのばす、のばす。
 
均等にのばすのって結構難しい。のばし終わったら二等分にカットします。ドキドキ。
 
オカリナの型です。左の棒は、口に差し込んで音を出すための穴を作るものです。
 
粘土を立てるようにして、型に入れ込みます。これがなかなか難しい。
 
 
 
なんとかおさまりました。ホッ。はみだした粘土は切り取ってしまいます。
 
吹き口の部分に棒を置いて、粘土で固定。乾いてから棒を抜くと音がでるハズ・・・。不安。
 
少し乾かして型から出したら、オカリナの穴をあけていきます。大きさの違いに注意。
 
えーっと、8番の穴あけはー・・・。えーっと、えーっと。
 
                 
 
吹き口の部分はやっぱり先生に調整していただきます。この状態でも音がでるんです!
 
くっつけたところを整えます。削るのではなく、押し込むように・・・ブツブツ。
 
ネームを刻んで完成!オカリナの釉薬は窯元におまかせ。1ケ月後が楽しみ、楽しみ。
 
釉薬見本の中に「やきしめ」の恐竜君発見!オカリナもできあがりはこんなかんじかな?
 
 
・・・お店も覗いてきました・・・
 
この日の天候は雪。でも平清水は雪がとっても似合うところなんだな?。
 
商品がずらーっと並ぶ店内。引き出物を注文に来たお客様がいらっしゃってました。
 
見て見て!この黒いぽつぽつが鉄分です。これが平清水焼の表情となるのです。
 

今日の戦利品。左側の色が、昔から伝えられている釉薬の色だそうです。
 
 
 
今日のお店番は奥様の妹さん。気さくな笑顔で話もはずみます。
 
土を発見!これからまだまだ細かく砕きます。昔は手で砕いていたそうです。大変!。
         

 平清水で一番古い窯元「平吉窯」。現在のご主人は6代目。
「ここの土は日本の中でも硬質です。出来上がったものは石独特の味わいがあり、この質感と、使った時の手触りを大切にした器を作っていきたいですね。」
お客様が本当に欲しいものを作っていきたいと言うご主人。静かな口調のなかに、物作りへの想いがあふれていました。
   
 
鮮やかな濃い藍色の中に、重厚な深みが。見れば見るほどうっとり。
 
「なんでも飲めるカップと元気のでるカップの注文が結構あるんですよ。」
 
作業場と体験教室の建物。雪が似合います。製作中の陶器もちらほら・・・
 
体験教室の部屋。時間をかけてじっくり教わることができます。
 
 
ご主人の作業場。「品のいいものを作っていきたいと思っています。」
 
お店の中の様子。釉薬にも力を入れていてるので、色鮮やかな作品が並びます。難しいのは赤だそう。
 
茶道の先生でもあるご主人。生地の色を生かして焼きあげた器がとてもすてきです。
 
月山の白土で焼いたウイスキー専用コップ。不思議なことにコップ自体がひんやり。
 
 
中をのぞいたところ。ガラスが入っていてきれい。これでロックを飲んだらウマソ?。
 
私が買ったのはビール用。 泡が細かくでて、ほんとにウマイ。飲みすぎ注意!
 
お店の前景です。外の雑踏がうそのようなやわらかな静けさに包まれています。
     

 お店の扉を開けると、「白い空間」が目の前に広がりました。ここ青龍窯は明治25年頃より開かれ、現在のご主人が4代目となるそうです。つや消し白釉の「残雪釉」はなんとご主人の考案。残雪という名は土を採る千歳山の残雪を思わせるから、という意味が込められています。
 
 白い釉薬のなかに、土に含まれれる鉄分が、ふわっと斑点のようになって見えるさまは、ほんとうに上品で美しい。

 奥様がお茶をいれてくださった湯のみ茶碗も、思わず見とれてしまいました。器の形が端整なのも、美しさをさらに輝かせるのに一役かっているようです。

 手作りならではのいびつな形や手触りを楽しむというよりは、釉薬の白さとマッチした形の美しさを楽しむ器のように感じる作品も多々ありました。

「百円ショップには勝てないなー。今の若い人は器もここで買うしねぇ。」
と、静かに笑うご主人。

 う?ん、これからどんどん勉強を重ねて、いつかは本当にいいものしか手にしない大人になりたいもんです。
 でも、その前にダンナの稼ぎが上がってくれないと・・・ねぇ。心が洗われるようなひとときでした。



 私がお邪魔した時は、作品を窯からだした直後でした。突然お邪魔したに もかかわらず、若いご主人は気さくに話をしてくださいました。
 窯は薪でたいているため、味わい深い作品ができる反面、犠牲になる作品も多いとか。特に1月は気候の関係もあり、数ができにくいのだそうです。
 
 こちらの窯は、青磁という中国で生まれ、宋の時代に完成した陶磁器を手がけています。釉薬をなんどもかけ厚くすることで、焼成中に素地や釉薬から出るガスが釉薬のなかに散乱し、水をたたえたようなブルーとなります。

 大変手のかかる難しい焼物だそうで、「まして薪で焼いているのはうちだけでしょう。」とご主人。
 
部屋を見回すと、芸術性の高い個性豊かな作品が目を引きます。関東を中心に個展を開いていて、日本全国に雷神窯のファンがいます。陶器をあつかった雑誌に掲載されることもしばしば。

 「とにかく前に進むしかないと思っています。去年個展を開いたところでは、今年は少しでも前進した物をお見せしたい。同じものは作らない、そんな想いで作品を作っているんです。」


 
【 ま だ ま だ あ る 、 山 形 の 窯 元 】
   
一霞焼窯元(ひとかすみやきかまもと)

あつみ温泉を流れる温海川の上流約3キロメートル、赤カブの産地「一霞地区」にある窯元で土の風合いを大切にした、やさしい手触りの焼き物。

〒999-7203山形県鶴岡市一霞字亀鶴84−1
TEL 0235-43-3977 URL http://www1.odn.ne.jp/hitokasumiyaki/
営業時間 9:00?18:00 (体験教室は9:00?16:00)
体験教室   粘土1kg. 2000円  ロクロ体験も可能 (要予約)
 
 
 
上の畑焼

東北や県内でも産出がめずらしい、地元の白い陶石「銀山陶石」を使った染付磁器で、白地に深い藍色の模様が特徴の焼き物。天保時代に開窯後、わずか10余年で姿を消したが19 80年、陶芸家の伊藤瓢堂(いとうひょうどう)氏によって再興された。「三多紋」や「桜」の模様が伝統的。

尾花沢市銀山温泉162-1 TEL 0237-28-2159
営業時間 8:30?17:00  (水曜定休)
体験教室   粘土1kg.  2500円?  絵付け900円? (10名以上要予約)

※一点物の作品が多いため、ご注文は受け付けておりません。作品の購入をご希望の方は工房までおいでください。
 
   
新庄東山焼

天保12年(1841)、新庄藩御用窯として開窯以来、5代に渡って伝統の窯が守り続けられている。敷地内の豊富な陶土と、出羽のかげりの色と言われている「なまこ釉」をはじめ、「鉄釉」「そば釉」など、種々の家伝の釉薬を用いた陶器がつくられている。

〒996-0002 新庄市金沢1441 TEL 0233-22-3122
URL http://www12.plala.or.jp/touheian/  営業時間 9時?15時  (不定休)
体験教室   粘土1kg  1500円  絵付け500円 (要予約)
 
   
天童焼若松窯

縁結び観音で知られる鈴立山若松寺のふもとには、 その昔、多数の窯があり、この地方最大の焼き物の産地だったとか。 若松窯はこの地の粘土を使い、益子焼の伝統的技術をもとに 現代感覚を加えた、温かみのある焼き物となっている。

山形県天童市山元2139 TEL 023-654-7789
URL  http://www.tendoyaki.com/  営業時間 9時?16時

体験教室 ロクロ 作品1点 3,000円  手びねり 粘土1kg  2,000円 
絵付け 1,000円? (要予約)(HPより予約状況が確認できます。)
 
   
成島焼和久井窯

200年の伝統をもつ成島焼の工房と販売所。ここの陶土は、釉薬なしでも水がもらないというすぐれた 器質で、ただ焼き締めても独特の風合が生まれる。それが「金窯変」。伝統のコバルト色も美しい。

長井市今泉1812 TEL 0238-88-9205 営業時間 8?18時  (無休)
体験教室  粘土1kg  3500円?  要予約
 
   
深山工房つち団子

昭和36年に発見された、幻の窯跡を梅村正芳氏が復興し、金田利之により受け継がれている。つち団子のぬくもりのような、素朴で独特な味わいを持つ焼物を求めて製作している。登り窯で焼成。

〒992-0776 西置賜郡白鷹町大字深山2530
TEL 0238-85-1807 URL http://www2.jan.ne.jp/~dango/top.htm  

体験教室   粘土500g 1000円   1kg  2000円  要予約
※体験教室で作った作品もご希望があれば登り窯で焼成することを検討中です。
 

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